最近中古Surface Pro 5 (2017)をまた買ってしまった。大きな目的はx86用AndroidのBliss OSをインストールすること。
Androidx86由来と思われるWindowsインストーラは存在するが,そもそも開発者は以下の「普通の」インストール方法を勧めている。
“Live boot Bliss OS” でまずはテスト。こういうときにはRufusを使うのが定番でこの文書もそれを前提にしているが, “Surface Pro 5 LTEにChromeOS Brunchをインストール” にも書いたようにYumiの方が高機能なので,なぜYumiが浸透していないのか不思議だ。特に,live Linuxなのに,一部対応しているディストリビューションについてはユーザデータをセッションにまたがって維持してくれるのは非常に便利に感じている。残念ながらこの機能はBliss OSには対応していないが。
いずれにせよ,既にChromeOSのインストールのためにYumiでMintをインストールしたUSBドライブがあった。YumiではそのUSBドライブの\YUMI\Linux-ISOsフォルダに.isoファイルを入れるだけで「インストール」が完了するのでそれでUSBドライブの準備は完了する。現時点ではAndroid 12LベースのBliss OS 15が安定運用が期待できる最新版ということなのでそれを利用することにした。Google PlayはじめGoogleのアプリも利用したいのでGApps版。そしてSurface対応版。具体的には https://sourceforge.net/projects/blissos-x86/files/Official/BlissOS15/Gapps/Surface/Bliss-Surface-v15.9-x86_64-OFFICIAL-gapps-20240114.iso 。
“Surface UEFI の使用方法 – Microsoft サポート” によればSurface機においてUEFIメニューを表示させるには:
- Surface をシャットダウンし、オフになるまで約 10 秒間待ちます。
- Surface の音量を上げるボタンを長押しして、同時に、電源ボタンを押して離します。
- Microsoft または Surface のロゴが画面に表示されます。 音量上げボタンを押し続けます。 UEFI 画面が表示されたら、ボタンを放します。
以下基本 “Install EFI From Bootable USB” に従うがパーティションの編集やフォーマッティングが含まれるので怖い。何度もWindowsやLinux (Mint)を起動して誤ってないか確認しながら慎重に含めた。注意点・メモは以下:
- セキュアブートを無効化。これをしないと何もうまくいかない。
- Windowsのシステムパーティションのサイズを小さくするには,Windowsの管理アプリを使う。NTFSパーティションのサイズを他のパーティション管理アプリでは変えられないから。
- Bitlockerも解除する。これをしないと解除キーをWindowsに何度も求められて非常にわずらわしい。
- EFIパーティションは既存のものを流用することもできたんだろうと思うが,それはそのまま残すことにして新規に作成(下図で “ESP” とラベルが振られているもの)。WindowsのシステムパーティションとBlissOSのパーティションの間でサイズの融通がきかせやすいよう,ESPパーティションは後ろに作成。
- 文書には特に説明がなかったように思うがOTAが可能なようにするかどうかインストーラに問われた(2つ下の図)。そもそもわずか128GBしかないSSDをWindowsと分け合うわけだし,OTAなしでもアップデートはさほど大変そうではないのでOTAサポートは見送った。
- Bliss OSのシステム用パーティションはデフォルトでExt4で,Windowsからも見えるようにしたければNTFS,という指示があったが,前者を選択。
図の後に続く。
動作はキビキビしており,ChromeOSよりレスポンスがよいいように思う。ただ,タッチパネルの反応は過敏のきらいがある。後で画面フィルムを貼ったらちょうどよくなる?
今のところわかっている問題点:
- 物理ボタンがサポートされていない。画面ロックが起こると、外せなくなる。物理キーボードを使っているときにはそれに反応してくれるときもあるがいつもそうではない。強制リブートしか手がなくなるので地味に深刻な問題。
- モデムが使えない。
- プライムビデオのようなビデオストリーミングサービスのアプリは使えない。
2. は想定していたし,3. のようなこともあるかとは思っていたが,1. は大変困る。
“Calibrate and configure iptsd” にも関連した記述はないし(タッチパネルの話だから当然は当然), “Configuration Through Command Line Parameters” にも関連した記載はない。
2019年のLinux 5.4でSurfaceの物理ボタンサポートがなされたようなのだが,最近の版でそれがおかしくなったのではあるまいか。
自分でビルドするのならWidevineもL3だがサポートできるようだ。
なお,以下結局正しくなかったこと。Yumiでちゃんと動作した。
…が,Yumiで作成したUSBブートドライブだとBliss OSが起動しきらない。最初のスプラッシュ・スクリーン(文字だけに寄るものだが)が表示されたりはするのだが,そこで止まってしまう。Bliss OSのインストール用ISOは “ISOHybrid” のイメージらしいが,Yumiはそれに対応していない?Yumiのドキュメントは ISOHybrid に一切触れていないのでわからない。
“第93回 xorrisoとUEFIブート再び[その3] | gihyo.jp” に ISOHybrid の説明がある。
ともかくしょうがないので, Rufus の最新版4.4.2103を Chocolatey でインストールして再トライ。古いUSBメモリを再利用したら USB 2.0 デバイスだったようで,恐ろしく書き込みに時間がかかった。
Rufus は,自前で備えている isolinux よりも,Bliss OS ISO が求めているそれのバージョンの方が新しいとして,最新版を自動でダウンロードした。
Rufus が最後に吐いたメッセージが以下:
Found USB 2.0 device 'USB DISK 2.0 USB Device' (1516:1213) Using 'autorun.inf' label for drive E: 'BlissOS-15.9 (x86_64)' 2 devices found Disk type: Removable, Disk size: 4.1GB, Sector size: 512 bytes Cylinders: 499, Tracks per cylinder: 255, Sectors per track: 63 Partition type: MBR, NB Partitions: 2 Disk ID: 0x004152A8 Drive has a Syslinux Master Boot Record Partition 1: Type: FAT32 LBA (0x0c) Detected File System: FAT32 Size: 3.3 GB (3571445760 bytes) Start Sector: 2048, Boot: Yes Partition 2: Type: GNU/Linux (0x83) Detected File System: ext3 Size: 508.0 MB (532675584 bytes) Start Sector: 6977528, Boot: No